あなたは何事に対しても執着してはなりません。
あなたは何があろうとも一所にとどまってはならないのです。
何かに対して固執し、一所にとどまってしまうのならば、大切なものを見失ってしまうということを覚えておかなければならないでしょう。
世界は変化の上に成り立っています。
変化を受け入れなければ、どのような世界も成り立ちはしません。
変化というものは世界を左右するほど大切なものであるということを知らなければならないでしょう。
世界は常に変化を求めています。
変化を与え続けることができなければ、その存在を世界に保つことはできません。
世界を保ちたければ、変化を続けなければならないのです。
残念ながら、人は器用な存在ではありません。
その心は感情によって強く縛られ、例えそれが自身のものであっても簡単には言うことを聞こうとはしないものです。
感情が一つの場所(価値観や考え)に取り付くと、それを引き剥がすのは容易なことではありません。
それは、感情は成長するからです。
一つの考えから導き出される感情は一つの場所に根を下ろし、その場所を守ります。
一度覚えた感情に心は執着し、人はそれを簡単には覆すことができないのです。
人の心は不器用であるということを覚えておかなければなりません。
一度信じたことを改めることの難しさを知らなければならないのです。
心に一度根を下ろした感情を簡単には手放すことができないということを理解した上で、感情を心に根差さなければならないということなのです。
あなたの感情は植物の種のようなものです。
それは小さな考え方から始まり、育つに従って大きく強靭なものになります。
育つ程に強くなるそれは、それが大きく育った時には手に負えないものとなります。
それが正しい場所で正しく育てば良いですが、正しはない場所で歪んで育ってしまった場合には、それによって苦労するということを理解する必要があるでしょう。
どのような樹木も、大きく育つ程に人間の力では引き抜くことができなくなります。
若木であれば簡単に引き抜くことができます。
それは根が十分に育ってはいないからです。
根が十分に育ってしまえばびくともしなくなってしまうのです。
それが正しくない場所に根を下ろしたのであれば、自力で何とかなる時間内に正しい場所に植え替える必要があるのです。
正しくない場所に根を下ろした樹木は、大切な日光を遮り、作業の進行を阻み、あなたに苦しみを覚えさせることでしょう。
どのような感情も正しく抱かなければなりません。
正しくない形に感情を抱くものではないのです。
ここで言う正しくない形というのは、思いやりに欠ける破滅的な状態(怒りや不安など)であるということです。
多くの人は、感情が持つ人生への影響力を軽んじています。
人生に対して、自らの感情が及ぼす影響は、あなたが考えているよりも大きなものであるということを知らなければならないのです。
感情のコントロールができずに、善悪の区別もつかずに身勝手に振る舞っていると、人からの信用を失ってしまいます。
気分に任せて考えを決めるということは、理由を持たず、区別もせずに、樹木の種を散撒(ばらまく)くというこに等しいということを覚えておかなければならないでしょう。
それがどのような気分によって蒔かれた種であれ、人生に落ちれば芽を出し、根を伸ばすのです。
成長した感情は、あなたに必要な実りをもたらすでしょう。
あなたはその実りを受け取らなければなりません。
それを拒絶することはできないのです。
どのような理由があっても、それを頬張(ほおば)って飲み込まなければならないのです。
どのような感情も実を付け、それは自らの血となり肉となり、人生になります。
あなたは自らの感情の置き場所に注意を払わなければならないのです。
執着心が強ければ、一度蒔いた感情の種を植え替えることが難しくなってしまいます。
固執する者は植え替えることを嫌います。
植え替える、やり直す、組み替える、非を認めることができないために、固執せざるを得ないのです。
あなたは強過ぎる執着心に気を付けなければなりません。
強過ぎるこだわりにも注意を払わなければなりません。
大切なのは何か一つのことに執着することではなく、柔軟に変化を求めて進んでいくことなのです。
その感情が豊かさの障害になると理解したのであれば、素早くそれを正しい場所に植え替えなければなりません。
山に育つ植物があります。
川に育つ植物があります。
里に育つ植物があります。
海に育つ植物があります。
感情にも適した場所があるのです。
山のものが海では育ちません。
どのように素晴らしい感情も、正しい場所に育たなければ(本当の意味での)実りを結ばないのです。
必要な場所に必要な種類の感情を植えましょう。
正しい感情が正しい場所に育つように管理しなければなりません。
感情や心境を放置してはなりません。
美しい世界(心)を育てましょう。
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