人生において人は、何かを得て何かを失います。
何かに満たされる時、何かには満たされません。
すべてが理想通りに満たされるということはありません。
人生とは、充足と不足によって成り立っているのです。
あなたはその二つの性質によって人生が動いているということを理解しなければならないでしょう。
人は不足を感じ、それを満たそうとします。
努めることによって何かが満たされた時、別の何かが満たされていない(損なわれた)ことに気が付きます。
その不足を満たそうとして努め、それを満たします。
しかしながら、またもやそこには不足を見出してしまうのです。
あなたの人生が完全に満たされるということはありません。
何かには満たされているでしょうが、何かには不足しているのです。
それはどのような人であっても同じことなのです。
人はすべてを手にすることはできないのです。
不足を満たすことは重要なことです。
それは不足を満たすことによって充足を得られるからです。
しかしながら、多くの人は不足を悪いことのように扱います。
不足を嫌って充足を得ようとすることは大切なことなのですが、不足を嫌っているなら、いつまで経っても人生に満足を得ることはできないでしょう。
人生というものは、何かが満たされ、何かが不足しているのが自然な状態です。
空を飛ぶ鳥が強靭な足腰を持たず、陸を早く駆ける動物が海に深く潜ることができないように、何かが満たされていることもあれば、何かが不足してもいるのです。
あなたがすべてを満たそうとしてどのように努めたとしても、何かは必ず不足しています。
努めた程に得るものがあるでしょうが、それ程に失うものもあるのです。
あなたはそのことを理解しておきましょう。
すべてが満たされるということはないということを覚えておかなければなりません。
誰かの状況を見て、あの人が持っているものが羨(うらや)ましいと思うことがあるでしょう。
しかしながら、その人がその状況を得るためには、それに相応する何かを失っているということを忘れてはならないのです。
何も失うことなく、何かを得られるということはありません。
どのような人も何かを得れば何かを失うのです。
他人のことを羨ましく思うことは簡単ですが、その背景にはあなたが知らないことがたくさんあるのです。
あなたは何かを得る時には何かを失うということを覚えておかなければなりません。
何も失うことなく、何かを得ることは有り得ないのです。
何かを欲することは良いことですが、その欲求に対して溺れてはなりません。
失うことを知らずにいることは苦しいことなのです。
何かを失うことは辛いことではありますが、その損失に対して心を乱してはなりません。
失うものがあれば、それに対して得ることがあるからです。
あなたは当たり前のことに対して苦しんではなりません。
物事は必要に応じて配置されます。
あなたが何かを得ること、そして、何かを失うことは必要に応じた配置であるのです。
あなたが何かを得るために何かを失うことは、人生との取引を成立させるための必要であるということを理解しなければならないでしょう。
商品を購入するには、代金を支払う必要があります。
お金は失いますが、品物を得ることができます。
このような当たり前の取引が、人生のすべての状況の中で繰り広げられているのです。
あなたが何かを得る時には、何かを失うということを覚悟しておきましょう。
何かを失うことなく、何かを得ることはできません。
人生においてはすべては満たされませんが、自らが何かを失ってでも手に入れたいものを掴み取りましょう。
それを手にした時には何かを失います。
しかしながら、失ったものがあるからこそ、それを得ることができたのです。
失ったものを取り戻すことはできません。
人は何かを失うものなのです。
失ったものよりも得たものの方が良いものであったとすることができるように、あなたは失うことを恐れずに、欲するものに対して精一杯に手を伸ばしましょう。
人生は思ったようには進まないものです。
何かを失うことは辛いことではありますが、あなたはそれよりも得たものを確認しましょう。
得たものを数える人は人生に満足を得ることができるでしょう。
失ったものを数える人は人生に不足を得ることでしょう。
どちらを数えるのかはあなた次第です。
好きな方を数えましょう。
人生を豊かなものにしたければ、失うことを恐れずに手を伸ばしましょう。
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