すべての人は、人生に目的を以(もっ)て生まれます。
すべての人は、人生の目的を果たさなければなりません。
人生に目的も無く生まれる人はいません。
どのような人物も、果たすべき目的を以て生まれるのです。
あなたは、人生の目的を果たさなければならないということを覚えておきましょう。
人生の目的を無視して生きることは賢明(けんめい)ではありません。
なぜなら、人生の目的を果たすことがなければ、人生に豊かさを実現することは出来ないからです。
人生の目的を果たすためには、自分に成る必要があります。
それは、人生の目的を果たすためには、それに相応(ふさわ)しい役割を果たす必要があるからです。
その役割こそが、自分であるのです。
残念ながら、あなたは自分を知りません。
自分とは、生まれた理由なのです。
あなたの考えている”自分”は、残念ながら、真(まこと)の自分ではありません。
それは、認識が及(およ)んでいないからです。
多くの人は、自分を知りません。
自分というものは、名前のことや、肉体のことや、性別のことや、性格のことや、思考のことや、役職のことなどではありません。
残念ながら、それ等は生まれた理由にはならないのです。
多くの人は、偽りの”自分”を自分だと思い込んでいます。
生まれた理由は、形のあるものではありません。
肉体やそれに付随(ふずい)するものが、あなたが生まれた理由ではないのです。
形を追い求めたとしても、人生の目的を果たすことは出来ません。
人生の目的を果たすためには、形の無いものを追い求めなければならないのです。
例えば、どれだけの富を得たとしても、人生は豊かさを得ません。
有り余る富は、多少の安心感を得させてくれるかも知れませんが、それも一時(いっとき)のものです。
富を失う心配や、より多く手に入れなければならないという衝動に追い立てられてしまうでしょう。
それでは、人生は苦しいのです。
多くを持つ者は、良いものだけではなく、悪いものも多く持たなければならないということを理解しましょう。
残念ながら、形のあるものに依存(いそん)する生き方は、人生を豊かにはしてくれないのです。
この世界に存在するものは、陰陽(いんよう)の仕組みの中に存在します。
この世界には、良いものは存在しません。
同じように、悪いものも存在しないのです。
どのようなものも、良いものであり、同時に悪いものでもあるのです。
命を保つ水は、同時に命を奪うこともあります。
火も土も木も風も、あなたの命の支えではありますが、同時に命を奪うものでもあるのです。
この世界に存在するものは、陰陽の性質を兼(か)ね備えているということを理解しなければなりません。
良いものだけを手にすることは出来ません。
例えば、この世の富を良いものだと思って依存しても、それによる苦しみも受けなければなりません。
富は繁栄(はんえい)をもたらす一方で、争いを引き起こします。
人は富によって争い、滅ぶのです。
人生の目的は、人生を始める前に決められたものです。
因果の仕組みが支配するこの世界においては、人生の目的が存在しなければ、人生を始めることが出来ないのです。
人生が始まった後で目的が生じた訳ではありません。
目的が存在しなければ、人生が始まることはないのです。
人生の目的は人生を始める前に決めておく必要があるということなのです。
人生の目的は、形を得るために定められる訳ではありません。
形のために生まれる人はいないのです。
もちろん、あなたは目の前の快楽や欲望を貪(むさぼ)るために生まれた訳ではありません。
すべての人は、より崇高(すうこう)な目的のために生まれているのです。
残念ながら、人生の目的は、それぞれに異なります。
同じ目的のために生まれる人はいません。
そのため、あなたは自分の人生の目的を、自分自身で見極める必要があるのです。
形を追い求めているのであれば、人生の目的を見極めることは出来ません。
形を追い求めているのであれば、形の無いものに価値があると告げても聞き入れてはくれません。
そのため、”わたし”が何を伝えても価値が無いのです。
聞き入れない者には伝えません。
聞き入れることが出来るようになるまで待ちます。
それは、形を追い求めることが空しいことに気が付いて、自らが形の無いものを求めるまでは待つのです。
無理に教えても役に立ちません。
学ぶつもりの無い者は、学ぶことが出来ないのです。
形を追い求めてはなりません。
形では、人生の目的を果たすことは出来ません。
どれだけの富を得たとしても、人生の豊かさには関係の無いことなのです。
例えば、形である肉体の若さと、人生に豊かさは関係しません。
形に依存している人達は、肉体の若さに豊かさを感じるでしょう。
しかしながら、赤子の人生よりも、老人の人生の方が豊かなのです。
なぜなら、赤子よりも、老人の方が人生において形の無いものを育んでいるからです。
若い肉体に収まっていようとも、愚(おろ)かであれば空しいのです。
老いた肉体に収まっていようとも、賢(かしこ)ければ豊かなのです。
形よりも、価値のあるものが存在します。
あなたは、安易(あんい)に形に価値を見出してはなりません。
死を理解すれば、形など価値を持たないのです。
明日死に辿り着くとして、それでも形を追い求めるでしょうか?
あなたが死に辿り着いた暁(あかつき)には、形は手放さなければなりません。
一切(いっさい)の形は、死の先へ持ち出すことは出来ないのです。
そのようなもののために、あなたは生まれません。
手に入れられないもののために人生を始めることはないのです。
死の先へ持ち出すことが出来るのは、形の無いものです。
あなたは、形の無いもののために人生を始めたのです。
形の無いものとは、例えば、知恵、愛、徳、成長、満足などです。
あなたは、価値を考えましょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿