あなたは自分が無力であるということを知らなければなりません。
あなたがどのように頑固に意地を通しても、それによって何かが変わることはないと理解しなければならないのです。
自我によってこの世を渡ろうと欲する人は、荒波に飲まれて沈没する小舟と同じであるということを知らなければなりません。
無力であるのに、嵐の中を行くのであれば、簡単に沈むということを覚えておかなければなりません。
起こったことをそれ以上どうすることもできません。
起こったことはそれが最善であり、それ以外には有り得ないのです。
すべては原因によって導かれる当然の結果です。
結果は結論であり、それをどうすることもできません。
結果を書き換えることなどできないのです。
しかし、多くの人はこのことを知りません。
結果が書き換えられるものだと考え、東奔西走(とうほんせいそう)しているのです。
残念ながら、起きたことは変わりません。
人はそれを受け入れる以外に方法はないのです。
どのように大きな船を造ったとしても、大海に対しては無力です。
どのような船であっても、意地を通して進むのであれば大海に飲まれるのです。
小舟であっても、大海に対して従順であるなら上手く渡り、沈むことはないのです。
あなたがどのように意地を通したとしても、適わない相手がいるということを覚えておきましょう。
嵐の中に漕ぎ出してはなりません。
雨風によって、船は翻弄(ほんろう)されてしまいます。
岩場や浅瀬を回避して進まなければなりません。
船底が暗礁を掴めば、座礁してしまうからです。
流れに逆らって進んではなりません。
船尾から波を受ければ、船は簡単に傾くのです。
逆らうことをやめ、状況や環境を味方に付けるのです。
気象に逆らっては、航海を達成することはできないのです。
気象に逆らうことがなければ、例え航海の途中で嵐に見舞われたとしても、それを乗り越えて進むことができるのです。
あなたは無力なのです。
あなたはそのことを忘れてはならないのです。
自我によって意地を通してはなりません。
あなたが我が儘(まま)に振る舞うのであれば、あなたを非難する人が現れるでしょう。
敵によって、あなたは自由を失うのです。
頬(ほほ)を撫でる微風(そよかぜ)さえ、あなたは食い止めることができません。
優しく降り注ぐ雨粒一つでさえ、あなたは食い止めることができません。
あなたにはどうすることもできないことが多いのです。
自分が偉いなどと考えてはなりません。
あなたは無力であるのです。
間違えてはなりません。
あなたにはどうすることもできないことが、この世には多く存在しているのです。
起こったことをどうすることもできません。
それを変更することもできません。
そこから逃げ出すことはできますが、それは時間を置いてまたやってくるのです。
嵐が去ったとしても、次の嵐がまたやってきます。
嵐の季節をやり過ごしたとしても、来年にはまたやってくるのです。
対策を考え、それを実行することによって、嵐を味方に付けなければなりません。
人生には様々な問題が生じ、多くの苦悩があります。
多くの人はそれを不幸だと考え、それによって苦しみます。
「わたし」はあなたに言います。
どのような状況であろうとも、それを苦しみとして認識する時点によって間違っているのです。
苦しい状態とは、それを敵と考えている状態のことだからです。
嵐は大海を乱しますが、それは敵ではないのです。
嵐によって大海は育ちます。
人は嵐によって学び、嵐によって賢くなり、強くなるのです。
人生の問題を苦しみにしているのは自我です。
自我によってそれを拒絶し、争うから苦しんでいるのです。
小舟が気象に逆らっても適いません。
それと同じように、無力のあなたが人生(状況)に逆らっても適うはずが無いのです。
あなたはこのことを覚えておきましょう。
逆らってはなりません。
争ってはなりません。
喜びによって、この世を渡りましょう。
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