人は誰もが、欲の大河を渡らなければなりません。
どのような人物にも肉の欲があります。
どのような人物も肉体を有し、その肉体を以て人生を歩んでいくのです。
肉体の協力なくして、人生を歩むことはできません。
そのため、肉体の存在は、どのような人物にとっても重要であるのです。
人は我が肉体を大切に扱わなければなりません。
それが損なわれないように努め励むことが、豊かな人生を生きることには重要であるのです。
肉体が損なわれ、健康が奪われるのであれば、豊かな人生を生きることは難しくなるのです。
健康が奪われたとしても豊かな人生を生きることは可能ですが、大抵の人はそのことで煩(わずら)い、人生を乏しくさせてしまうのです。
健康な肉体があるなら、それに越したことは無いのです。
あなたが健康な肉体を維持するためには、肉体を健康に保つために克己(こっき)しなければならないのです。
克己とは、己に打ち勝つことです。
あなたの本質は魂です。
それは精神であり、あなたの感情と思考を司ります。
精神と肉体は一つに繋がっており、それらは常に互いに自己を主張しているのです。
魂の欲は、あなたを「天」に向かわせるものです。
肉体の欲は、あなたを「地」に向かわせます。
人にとってはどちらも大切な欲です。
人には「天」と「地」の二つの世界が必要であるからです。
人は「天」より来て、「地」に学んでいます。
そのため「天」の魂であるあなたは、「地」の肉体を持つことによって「人」となるのです。
あなたはどちらも大切にしなければならないのです。
しかし、多くの人は「地」に生きているために、肉体の欲に強く引かれています。
肉体の求める欲とは、睡眠欲です。
睡眠は肉体を癒し、とても心地の好いものです。
肉体の求める欲とは、食欲です。
食事は肉体に力を与え、とても嬉しいものです。
肉体の求める欲とは、性欲です。
性交は肉体を蘇らせ、とても気持ち良いのです。
肉体の求める欲とは、物欲です。
財物に執着することは、肉体を勇気付け、とても誇らしいのです。
肉体の欲には(大きく分けて)これらのものがあります。
それらがあなたの目の前に大河として横たわっているのです。
人はこれを渡らなければなりません。
そこで溺れる者は「天」に辿り着くことができません。
欲の大河に溺れる者は「地」に行き着くのです。
欲の大河に溺れ、肉体の欲に生きる者は「地」に属し、「地」の人として行います。
欲の大河を渡り、魂の欲に生きる者は「天」属し、「天」の人として行うのです。
眠り過ぎたらどうなりますか?
眠り過ぎたら、あなたは全身が鉛のように重たいことに気が付くでしょう。
そして、時間が過ぎ去ったことに気が付くのです。
食べ過ぎたらどうなりますか?
腹は張り、胃はもたれ、肉体は醜く太り、病気にもなります。
性欲が強過ぎたらどうなりますか?
許可無く他人を犯し、他人の夫や妻を寝取ります。
物欲が強過ぎたらどうなりますか?
収入を超えた購入に走り、盗みを働きます。
それらはすべて苦しみと後悔に繋がっているのです。
肉の欲にのみ従うと、あなたは苦しむのです。
欲の大河に溺れないためには、魂の欲を知ることです。
魂の欲はあなたに成長を欲しています。
あなたに貢献を欲しています。
あなたに愛を欲しています。
あなたに人助けを欲しているのです。
ただし、魂の欲に偏り過ぎれば、浮世離れとなり、口先だけの者として役には立たないでしょう。
どちらか一方に偏ってはなりません。
浮きもせず、沈みもせず、欲の大河を渡りましょう。
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