すべての人は、目的を以(もっ)て生きています。
	それは、短期的な目的であり、長期的な目的です。
	すべての人は何等かの目的を達することを目指しているのです。
	目的を達するためには、目的地に到達する必要があります。
	目的地に到達するためには、先へ進まなければなりません。
	多くの人は、その道程を急ぎます。
	多くの人は、できるだけ早く目的地に辿り着きたいと考えているのです。
	早く進もうと考えれば、その足取りは疎(おろそ)かなものになります。
	人は走る程に、躓(つまず)く可能性が高まるのです。
	あなたは、道を急ぐ者が躓くということを覚えておかなければならないでしょう。
	多くの人が、欲に従います。
	多くの人は、理想を追い求めているのです。
	そのため、できる限りの近道や、素早く到達することのできる方法を探しているのです。
	目的地に素早く到達するだけなら、近道や良い方法を探せば良いでしょう。
	しかしながら、人生においては、素早く目的地に到達するだけでは満足を得られないのです。
	大切なのは、どのような過程を経て目的地に到達したのか?ということです。
	例えば、バスに揺られて目的地に到達することは、素早く簡単な方法かも知れません。
	しかしながら、バスに揺られるだけであれば、目的地に到達したとしても、大きな変化を得られないのです。
	出発地点から目的地までの間に、変化に価(あたい)する経験を積むことができないのです。
	大切なのは、目的地に到達することではありません。
	目的地に到達する過程において、どれだけ変化(成長)することができたのか?ということなのです。
	変化した自分が目的地に到達することに価値があるのです。
	必要な経験を積むこともなく、ただ素早く簡単に目的地に到達しただけであれば、目的地に到達する必要はないのです。
	道を急ぐ者は、却(かえ)って道を遠くするでしょう。
	あなたは、人生の目的について考えなければなりません。
	何のために生きているのか?ということを考えなければ、目的地に辿り着いたとしても虚しいのです。
	多くの人は、内容を気にしません。
	多くの人は、見た目だけを気にしているのです。
	そのため、どのような過程を経て目的地に到達するのか?ということよりも、どれだけ簡単に、素早く目的地に到達するのか?ということに専念するのです。
	人生とは、誰かとの競争ではありません。
	人生とは、自分自身との対話なのです。
	多くの人は誰かとの競争に明け暮れています。
	しかしながら、そのような生き方では疲弊(ひへい)してしまうでしょう。
	内容が伴わなければ、すぐに次の目的地に向かって出発しなければなりません。
	それは、必要な過程を経てはいないからです。
	目的地に到達することは大切ですが、どのような自分が到達するのか?ということの方が重要です。
	そのため、あなたは急いで道を進む必要はありません。
	歩いて目的地に向かうことになろうとも、それを恥じてはなりません。
	確実に一歩を踏み締め、成長を実感することの方が重要なのです。
	あなたは丁寧に進まなければなりません。
	一時間歩むことと、一時間バスに揺られるのでは、移動距離は大きく異なります。
	当然、一時間バスに揺られる方が遠くまで移動することができるのです。
	しかしながら、成長の 幅は一時間歩むことの方が大きいのです。
	あなたは、地道な方法を蔑(ないがし)ろにしてはなりません。
	基礎を固めずに、家を建ててはなりません。
	基礎を固めない方が家は早く建つでしょう。
	しかしながら、それは早く傾くのです。
	何事も急げば躓きます。
	焦る気持ちを抑えなければなりません。
	人生は誰かとの競争ではありません。
	これが自分自身との対話であることを忘れてはならないのです。
	あなたの目的は成長することであって、誰かに勝ることでも、誰かを負かすことでもありません。
	人生は、自分自身と対話しながら、ゆっくりと確実に進めば良いのです。
	軽薄(けいはく)な人間になってはなりません。
	一つ一つ、一歩一歩の意味を考えて、丁寧に生きなければなりません。
	
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