すべての人は、自らの分際に従って生きなければなりません。
分際とは、役割のことです。
すべての人が、人生に大切な目的を以(もっ)て生まれます。
人生の目的を果たすためには、自らの役割を果たす必要があるのです。
役割を放棄して、目的を果たすことは出来ません。
目的を果たすためには、役割を果たす必要があるということを覚えておきましょう。
すべての人が幸福を求めます。
すべての人にとって、幸福は命題です。
すべての人にとって、幸福とは、解決しなければならない課題なのです。
すべての人が幸福を命題としているために苦悩するのです。
幸福を求める気持ちが存在しなければ、人生には苦悩も存在しないのです。
人は苦悩を嫌います。
しかしながら、幸福を求める気持ちを手放すことが出来ません。
そのため、人の心は矛盾しているのが自然なのです。
あなたは、矛盾を抱えながらも、幸福を目指して歩み続けなければならないのです。
分際は、人生への契約です。
初めに分際があって、次に人生があるのです。
あなたは、そのことを覚えていなければなりません。
すべての人は無知であり、未熟です。
そのために、大きな誤解を抱えています。
多くの人は、自らの分際を忘れ、人生が主体となっているのです。
分際を弁(わきま)えなければ、人生は成り立ちません。
人生が成り立たなければ、豊かさは得られないのです。
自らの役割を果たさない者が、どうして豊かさを得られるでしょう?
役に立たない道具の行く末を、あなたは知っているはずなのです。
あなたが道具に対して行うように、人生はあなたを扱うでしょう。
道具の価値は、役割を果たすことです。
それ以上の価値はありません。
あなたは、人生の道具です。
あなたの価値は、自らの役割を果たすことなのです。
役割を果たすことによって、あなたは幸福を得ることが出来るでしょう。
役割を放棄しているにもかかわらず、図々しくも幸福を求めるのであれば、乏しさと苦悩が与えられるのです。
あなたも、道具に対して同じことをするのです。
それは、この世界の理(ことわり)です。
避けることは出来ません。
要求する前に、役割を果たしましょう。
役割を果たせば、要求(必要)は自ずと満たされるのです。
あなたは、強盗のように振舞ってはなりません。
権利を与えられていないものを盗み取ってはならないのです。
権利は分際に従って与えられますが、その中から、役割を果たした分だけが与えられるのです。
すべてが与えられるなどと考えてはなりません。
あなたに与えられるものは、あなたに相応しいものだけなのです。
あなたに相応しいものを自分自身で決めることは出来ません。
あなたに相応しいものは、因果の仕組みが決めるのです。
あなたがしなければならないことは、分際に従って生きることです。
それ以外の細々(こまごま)とした考えは必要ではありません。
幸福を手にするために、様々な技術は必要ではありません。
自らの分際に従って役割を果たすだけで良いのです。
"幸福に成りたい"という願いは必要ではありません。
それは、幸福とは目的ではないからです。
幸福とは、役割を果たした副産物に過ぎないのです。
副産物を直接的に求めてはならないのです。
それは、本来の目的を見失うことになるからです。
あなたが幸福を得ようとする時には、苦悩を通過しなければなりません。
それは、あなたが幸福を得るためには、あまりにも無知で未熟であるからです。
苦悩は、分際を弁えるために与えられた課題なのです。
苦悩を乗り越えることは、役割を果たすための段階に過ぎません。
苦悩に足を止めてはなりません。
苦悩を気に留めず、その先にある目的を果たしましょう。
自分の役割を果たすことを、主体としましょう。
人生との契約を忘れてはなりません。
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