すべての人は、目的を以(もっ)て生まれます。
すべての人は、人生において、目的を果たさなければなりません。
この世界において、目的も無く生まれる人はいません。
すべての人が、何等かの目的を以て生まれるのです。
残念ながら、多くの人は人生の目的を忘れてしまいます。
多くの人は、人生の目的を覚えていられないのです。
なぜなら、この世の煩(わずら)いによって、覆(おお)い隠されてしまうからです。
この世の煩いは、とても強い刺激です。
それは、心を揺さぶるのです。
船舶で目的地へと向かう商人が嵐に会えば、積み荷のことや、自分の命のことで心が一杯になってしまいます。
その時には、目的地へと辿り着くことは二の次なのです。
それと同じように、多くの人は、この世の煩いによって、人生の目的を見失います。
すべての人には、辿り着かなければならない目的地があるのです。
しかしながら、多くの人はそのことを忘れているのです。
大切なのは、人生の目的地に辿り着くことです。
目の前の小さな目的を果たすことも大切ですが、目的地に辿り着くことの方が重要です。
船舶で目的地へと向かう商人が嵐に会って危なくなれば、積み荷を捨てても、目的地へと辿り着かなければならないのです。
命があれば、再び商(あきな)いを行うことが出来ますが、積み荷と共に海の藻屑(もくず)と成ってしまえば、意味がないのです。
目の前の目的も大切ではありますが、人生の目的地へと辿り着く方が重要であるということを理解しなければなりません。
あなたは、人生の目的地へと辿り着かなければなりません。
そのために、目の前の目的を手放さなければならない必要性があれば、それを手放さなければなりません。
目の前の目的に執着することが最善であるとは限りません。
時には、それを手放さなければならないこともあるのです。
あなたは、目的地へと向かって歩み続けなければなりません。
しかしながら、あなたは自分が辿り着かなければならない目的地を知りません。
例え目的地を知らなくても、あなたは、目的地に向けて歩みを進めなければならないのです。
その道程(みちのり)は、納得のいくものではないかも知れません。
大抵の場合、あなたには納得することが出来ないでしょう。
船舶で目的へと向かう商人が、積み荷を捨てることに納得はいかないのです。
しかしながら、時には積み荷を捨てなければならないのです。
あなたは、理由が分からなくても歩まなければならないのです。
残念ながら、人生において、理由が分かることなど殆(ほとん)どありません。
大抵のことは、理由が分からないのです。
理由が分からないとしても、あなたは歩み続けなければなりません。
人生は、納得することの出来ることばかりではありません。
人生は、決して思い通りにはならないのです。
あなたには、人生の理由が分かりません。
それは、仕方のないことです。
なぜなら、あなたには、”自分が何であるのか?”ということすら分からないからです。
自分が何であるか分からないのに、人生の理由が分かるはずがないのです。
分からないことを考え続けることには疲れてしまいます。
分からないことを考え続けるよりも、分かることを考える方が良いのです。
船舶で目的地へと向かう商人は、目的地に到着する必要があることは分かります。
それは、嵐の中でも分かることなのです。
そして、命を守るために、大切な積み荷を捨てなければならない状況であることも分かります。
そのために、積み荷を捨てるのです。
意地を張って、積み荷をそのままにしておくと、嵐によって船が沈んでしまう可能性があるのです。
目的地へと辿り着く必要がある時には、目的を手放しましょう。
いつまでも、その目的に執着してはならないのです。
あなたは必要に応じて、歩まなければなりません。
道のない場所に一歩を踏み出すことは出来ません。
思い通りにならなくても、次の一歩を踏み出さなければなりません。
理由が分からなくても、あなたは目的地を目指しましょう。
納得することなど出来ないのです。
立ち止まってはなりません。
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