人が人生を豊かなものとするためには、自らにとっての利害というものを理解しなければなりません。
どのようなことが利益となり、どのようなものが損害となるのかを理解することなく、人生に豊かさは望めないのです。
損害ばかりを得て、どのように人生を豊かなものにするというのでしょう?
利益を得ることがなければ、人生が豊かなものになることはないのです。
あなたが人生に豊かさを求めるのであれば、何が利であり、何が害であるのかを知らなければなりません。
あなたは自らが次に取る行動がどのような状況(結果)をもたらすのかを考えましょう。
結果を正確に見極めることができなくても、それがどのようなものに収まるのか?ということは想像することができるはずなのです。
その想像を怠ってはなりません。
結果を想像して行動を選択しなければ、人は利害を区別することができないのです。
毒と薬を同時に飲むことは健康に繋がりません。
毒が存在しないのに薬を飲む必要はありません。
毒が存在しないのに薬を飲めば、却(かえ)って健康を損なうでしょう。
毒が存在しないのに薬を飲むことがなければ、身体は毒の猛威に犯されて、健康を損ないます。
利害を見極めることができなければ、人は苦しむのです。
悪いことをしなかったと自慢する人がいます。
悪いことをしなかったから、自分は良い人間だと考える人がいます。
悪いことをしなかったら、その人は幸福を得るのでしょうか?
残念ながら、悪いことをしなかったということだけでは不十分です。
悪いことをしなかったという理由によって、人が幸福を得ることはないのです。
なぜなら、悪いことをしないということは当たり前のことだからです。
悪いことをするのはマイナスです。
それは苦しいことです。
しかしながら、悪いことをしないということに評価は付きません。
何もしなければ、何も得られないのです。
それはゼロ地点であるということを覚えておきましょう。
スタート地点から動かない人を、誰がどのように判断し、評価することができるでしょう?
悪いことをしなかったという人は、何もしていないということに等しいのです。
ゴールに辿り着くことがない人が、果たして喜びを得るでしょうか?
想像してみましょう。
人生の豊かさを得ることができる人は、良いことをした人だけなのです。
悪いことをしないというのは、人として当たり前のことです。
当たり前の生活を続けただけで、心が満たされるでしょうか?
多くの人は人生を誤解しています。
何もしない人が得られる豊かさなど存在しないのです。
働いた者には報酬が与えられます。
損害を与える者には代償が課され、働かない者に与えられる報酬はないのです。
報酬は働いた者だけが受け取るのです。
あなたはその理(ことわり)を理解しなければなりません。
悪いことをしなかったから豊かさが得られるなどと安心してはなりません。
その時になって何も得られないということを知ったあなたは、自らの行為に対して絶望することになるでしょう。
あなたは良いことをしましょう。
良いこととは、貢献することです。
誰かや何かの役に立つことを心がけなければなりません。
それ以外の方法によって、人生を豊かなものにすることはできません。
ただの善人では人生の豊かさを得ることはできません。
役に立つ善人でなければならないのです。
あなたは働かなければなりません。
良いことを成さなければなりません。
怠慢なのは愚かなことです。
悪いことを成すことは罪ですが、悪いことを成さないことも、結果としてはそれに等しいということを覚えておきましょう。
悪いことをしていないのだから良いことがある、などという希望的観測は捨てましょう。
そのようなものは決して役には立ちません。
良いことを成すことだけに価値があります。
もしも、心が美しいだけで幸福を得ることができるというのであれば、世の中の子どもはすべてが幸福を得ているでしょう。
しかしながら、そのように甘い世界ではありません。
良いことを成さない限りは、どのような文句も聞き入れられないということを理解しておきましょう。
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