あなたは先ず、手放すことを求められます。
あなたの掌(てのひら)には、既に多くのものが握られています。
それ以上を握ることはできません。
しかし、あなたはそのことを知りません。
掌がそれ以上握ることができないということを知らないために、それ以上を握ろうとします。
しかし、それは叶いません。
次のものを握ろうとした時に、解かれた掌からは今までに握られていた所有物がこぼれ落ちます。
あなたの目の前には、より良いものが導かれます。
それを握ろうとするのです。
掌に握られているものは古いものとなり、それは使い物にはなりません。
しかし、執着心によってそれを手放すことは容易ではないのです。
そのため、古いものを手放すことをすることもなく、新たに手を伸ばすのです。
あなたの人生においては、このようなことが頻繁(ひんぱん)に起こっています。
あなたが何かを手にするためには、古いものを手放さなければなりません。
あなたは掌にどのくらいのものを握ることができるでしょうか?
それは、ほんの僅(わず)かなものであるということを理解することができるでしょう。
あなたが一度に所有することができるものは、僅かなものであるのです。
それなのに、あなたは多くを所有しようとするのです。
能力を超えた所有は許されません。
器に勝るものを保持することはできません。
器に水を注げば、入りきらないものはこぼれ落ちます。
器以上の水を保つことはできないのです。
あなたは常に喪失(そうしつ)を経験します。
あなたは失わなければなりません。
それは、新たに得るためなのです。
得ればまた失います。
失えばまた得るのです。
その繰り返しが人生であるのです。
すべては一瞬の淀(よど)みに過ぎません。
一瞬のことに執着してはなりません。
すべては流転するのです。
あなたはそれに逆らうべきではありません。
目の前には、苦悩としての状況が導かれます。
それは、あなたが手放さないからです。
手放さないという抵抗のために、それを苦悩として認識しているのです。
あなたが手放すのは、成長するためです。
古いものを去り、新たなものを手にするのです。
それは、負数を正数へと変化させるようなものです。
マイナスの状態を去らなければ、プラスの状態を得ることはできないのです。
同時を求めるのであれば、繰り返す必要があるのです。
あなたは成長を求められています。
あなたがどれだけその場にとどまりたいと懇願(こんがん)したところで、それが実現することはありません。
それは、あなたが人生を生きることを決めたからです。
人生は成長という目的のために存在しています。
あなたが成長という人生の意味を失ったとしても、その目的を失うことはできません。
あなたが誰かとの約束を忘れてしまったとしても、相手はそれを覚えているのです。
あなたが人生の意味と目的を失っても、人生はそのことを覚えているのです。
約束を放棄することはできません。
それは、あなたの責任であるからです。
あなたが忘れているのであれば、”わたし”が思い出させます。
あなたは自分で決めた約束を果たさなければなりません。
苦悩を覚えることがあるでしょうが、それは成長のための必要な作業なのです。
手放すことは難しいでしょうが、そこには重要な理由があるということを理解しましょう。
あなたは先ず、手放すことを行いましょう。
目の前の苦悩に対して、苦悩としての認識を手放しましょう。
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