すべての人が道標(どうひょう)を求めています。
それは、すべての人が道に迷うからです。
この人生には選択肢が多過ぎるのです。
無限に思える選択肢の中から、あなたは一つだけを選ばなければなりません。
一つ以上を選ぶことは出来ず、道は一本だけ遺すことを許されます。
道はあなたの軌跡(きせき)を伝えるものです。
道はあなたの後ろに生じるのです。
道はあなたの前にはありません。
すべての人が何も無い場所に道を築かなければならないのです。
前方には虚無が広がっています。
多くの人は未来に期待を抱きますが、未来には何も無いのです。
そのため、多くの人は不安を抱えて生きているのです。
虚無を喜ぶ人はいません。
そのため、未来を喜ぶ人はいないのです。
人は、自らの軌跡を見ては喜ぶのです。
あなたは、過去が栄光に満ちることが喜びであるということを知りましょう。
あなたは未来に期待してはなりません。
未来には何も無いのです。
あなたにとって確実なものは過去以外にはないのです。
過去だけが実体です。
あなたが変えることができるのは、実体である過去だけなのです。
過去を変えることに専念しなければなりません。
多くの人は過去を悔み、目を背けています。
過去は嫌なものであり、向き合うことを避けているのです。
そうやって、繊細な自尊心を守ろうとしているのです。
あなたが本当に自尊心を守りたいと考えているのであれば、何もせずに閉じ籠(こも)っていてはならないのです。
守りに徹することは、守ることにはなりません。
それでは、消耗するだけなのです。
創造することです。
創造することによってのみ、あなたは何かを守ることができるのです。
新しいアイデアを創出せずに、どうやってその仕事を守るというのですか?
可能性を広げずに、どうやってその豊かさを守るというのでしょう?
価値を創出せずに守ることができるものなど、この世界には存在しないのです。
あなたが過去を守ろうとするのであれば、新たな価値を創出することはできません。
過去を振り返ると苦しく、それは暗闇に覆われているかもしれません。
そのため、あなたは見たくないかもしれません。
しかしながら、人生の道標とは一筋の小さな光なのです。
それは、夜空に輝く星のような淡い光なのです。
あなたの力では、それを明るい場所で見付けることはできません。
それは、暗闇の中でこそ見付けることができるものなのです。
あなたが見つめなければならないのは、”明るい未来”などではありません。
それは、明るい虚無なのです。
青空にも星は輝いています。
しかし、あなたには見付けることができないのです。
未来に期待して、それを見つめる程に、人生の道標からは遠ざかります。
あなたは過去の暗闇を見つめなければなりません。
そこには、あなたの過ちが存在しています。
それを正すことが先決なのです。
自らを改めずに求めるのは、錆(さび)の上から塗装するようなものです。
それはすぐに剥(は)がれ落ちるでしょう。
暗い過去に期待しましょう。
そこには、美しく輝く人生の道標が存在しているのです。
過去を悔む必要はありません。
あなたは寧(むし)ろ、暗い過去に感謝しましょう。
暗い過去に感謝する者だけが、道を築くことができます。
人生の道標を見付けることなく、道を築くことはできません。
現実逃避をやめましょう。
快楽に溺れている暇はありません。
戯(たわむ)れに興じていては、人生の時間を浪費するでしょう。
あなたは道を遺さなければなりません。
その道を通って来る後の者が、その道を進めるでしょう。
短い道を遺す者は、小さな貢献にとどまるのです。
あなたは人生を深く進み、長い道を遺すのです。
大きい貢献は、豊かさを導くのです。
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