人は誰もが、理想を追い求めています。
誰もが理想の実現を願い、そうなるように行為しています。
理想の実現が幸福だと信じてるのです。
理想が実現することによって、満足することができると考えます。
しかしながら、理想の実現と幸福は同一のものではありません。
理想の実現によって満足することができるとも限りません。
理想の実現と、幸福や満足の間には明確な繋がりは存在しないのです。
理想が実現することで得られる幸福があります。
誰もがそれを求めていますが、それは、幸福の一面に過ぎません。
なぜなら、幸福が実現しないことで得られる幸福も存在しているからです。
多くの人は、理想が実現しなければ、幸福も有り得ないと思い込んでいるために、それを見失っているのです。
理想とは、現状の自分の求める幸福の形です。
現状の自分とは、未熟な状態です。
人は、知識と経験を得るほどに成長することができます。
そのため、現状は常に未熟な状態であるのです。
すべての理想は、未熟な自分の思い描く幸福です。
それは、その時には幸福かも知れませんが、自分が成長すれば幸福の形も色褪(いろあ)せるものなのです。
成長に従って、幸福の形は変わります。
その時には、新たな理想を掲げているでしょうが、それも繰り返しに過ぎないのです。
繰り返しに満足することができるでしょうか?
そこには退屈と苦悩が導かれるのです。
理想を追い求める人の行き着く先は、退屈と苦悩であるということを覚えておかなければならないのです。
理想が実現しなくても、人は幸福を見出し、満足を得ることができるのです。
人生とは、あなたが考えるほど粗悪(そあく)なものではありません。
理想が実現しなくても、幸福も満足も得られるようになっているのです。
それは、あなたが理想に対する妄想(もうそう)を手放すことです。
あなたが考えているほど、理想は良いものではありません。
未熟な自分の思い描く幸福など、あなたは必要としているでしょうか?
あなたはそれを必要とはしていないでしょう。
現実は、あなたの真実を映し出します。
目の前の現実は、あなたの長短を教えるのです。
それは、成長の助けとなります。
自らの長短を理解すれば、成長は早いのです。
しかしながら、自分を見誤る者は成長することができません。
多くの人は理想を求め、現実を否定します。
そのために、成長することがないのです。
多くの人がいつまでも理想を追い求めています。
多くの人が妄想の中に生きているのです。
真の幸福とは、現実の中にこそ存在しているのです。
妄想の中には存在しません。
あなたは現実を受け入れなければならないのです。
物事には必ず”流れ”が存在しています。
それは、あなたの成長の方向性を示唆(しさ)します。
理想を求めれば、”流れ”を断ち切るでしょう。
現実を受け入れることによって、”流れ”を見極め、それを生かすことができるのです。
樹木は、日光を効率良く得るために、枝を工夫します。
日光の届く場所に枝を伸ばし、日光の届かない場所の枝を枯らします。
これが、”流れ”なのです。
成長と共に、樹木の”流れ”は美しさを極めます。
それは、”流れ”を否定せず、生かしたからです。
自然界におけるすべての命が、”流れ”を受け入れているのです。
現実の中には真の幸福と満足が存在しています。
理想を追い求めるのであれば、それ等を見付けることはできません。
未熟な自分の追い求める幸福の形に惑わされることなく、真の幸福を見極めましょう。
あなたと、あなたの周囲の人々の考えている幸福は、真の幸福ではないということを覚えておきましょう。
価値観の転換が必要です。
0 件のコメント:
コメントを投稿