人生とは長い旅路です。
時間は限られ、振り返ると短く感じるでしょうが、終点に辿り着くまでには多くの時間を要するでしょう。
しかしながら、人生という道は一筋縄ではいきません。
一直線に引かれた線のように真っ直ぐな一本道ではないからです。
人生という道は曲がりくねり、高低のある道なのです。
人生を順風満帆に進むことのできる人物は存在しません。
上手くいく時ばかりではないのです。
何かしらの問題を抱え、苦しみに打ち拉(ひし)がれることもあるでしょう。
目の前に壁を感じ、停滞を余儀なくされることもあるでしょう。
失敗に挫けてしまうこともあるかもしれません。
人生の道を進むのはとても大変なことなのです。
自分が思い描くようには進まないのが人生というものです。
すべての命ある存在は死に向かって生きています。
人生の最終目的地は「死」という場所です。
すべての存在が例外なく死へと向かうのです。
そのため、多くの人は死を迎える前にどうにかして自らの理想を実現させたいと考えています。
そこには焦りの感情が生み出されます。
自らの状況や周りの人たちの状態を見て焦り、その道を急ぐのです。
車にはアクセルとブレーキが備わっています。
車体を前進させるためのアクセルと、車体を停止させるためのブレーキです。
どちらかが欠けていたなら、車は目的地へとあなたを運ぶことはできないでしょう。
アクセルとブレーキが備わり、機能しているからこそ、車は目的地へと辿り着くことができるのです。
道を急ぐ人は、ブレーキを疎(おろそ)かにします。
先を急ぐあまり、ブレーキは使わない方が良いという心理が働くからです。
スピードを落とさない方が目的地には早く到着します。
それは当然のことです。
ブレーキを使わない方が早いでしょう。
しかしながら、それは直線の道での話です。
人生は直線の道ではありません。
それは幾度にも曲がりくねり、上りも下りもあるのです。
そんな道でブレーキを使わないというのであれば、スピードを落とすか、道から外れて事故を起こすか、そのどちらかしか選択肢はないでしょう。
目的地に逸早く辿り着くためには、ブレーキの機能が重要になってくるのです。
人生においては、問題や壁や失敗というものがそれに当たるでしょう。
人生には必ず何らかの問題や壁や失敗というものが存在し、あなたはそれを受け取らなければなりません。
人生において問題や壁や失敗を受け取るということは、ブレーキをかけるということと同じ意味を持っているのです。
問題や壁や失敗があなたのスピードを制御してくれることがなければ、あなたは事故を起こし、道に戻れない可能性もあるのです。
理想を実現させるためには、問題や壁や失敗というものは必要不可欠です。
あなたはブレーキの壊れた車に乗りたいと思いますか?
人生の苦しみは、あなたにとって決して「悪」ではないということを理解しなければなりません。
人生は長い旅路です。
スピードが落ちるのも、立ち止まるのも良いものです。
ブレーキがかかることによって減速し、景色を眺めることができたなら、あなたはそれを楽しむことも、そこから新たな発見をすることもできるかもしれません。
先を急ぐことだけが生き方ではありません。
最後に目的地に辿り着くことが大切です。
スピードの出し過ぎに注意しなければならないでしょう。
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