あなたは、失うことを恐れてはなりません。
失うことを悪としてはなりません。
なぜなら、失うということは決して悪ではないからです。
失うことが最善を引き寄せるということに気が付かなければなりません。
そして、そのことを忘れてはなりません。
失うことを悪とし、それを恐れている人は、受け取ることや増やすことばかりに着目します。
何かを受け取り、何かが増えていくことはとても素敵なことでしょう。
誰しも、何かを受け取り、何かが増えていくということは嬉しいものです。
それは、ある意味では豊かさであるということができます。
何かが大きさを増すのは、豊かさの証明であると言えるからです。
しかしながら、豊かさとは増えていけば良いというものではありません。
どのような豊かさも、そのバランスを崩せば豊かさを保つことはできないからです。
豊かさとはバランスです。
バランスを保つことのできない場所に豊かさは存在しません。
自然界にある種族が繁栄するとします。
それはとても喜ぶべきことでしょう。
しかしながら、その数が増え続けるとどうでしょうか?
増え続けた命は自然環境を食い荒らします。
そして、生態系のバランスは崩れ、自分たちの生きる場所は失われてしまうのです。
どのようなものも、バランスを乱すほど数が膨れ上がれば豊かさを保つことはできません。
数が増えれば豊満状態に陥ります。
豊満状態に陥れば、それ以上に増やすことはできません。
強制的に減らさなければならないような状態に陥ってしまうのです。
受け取ることや増やすことばかりに着目し、失うことをしなければ急激に膨れ上がることでしょう。
しかしながら、急激に膨れ上がればその場所の豊かさを維持する力は著しく失われてしまうのです。
すべてには段階があります。
それがバランスなのです。
人生には失うことも大切です。
失うことがなければ気が付かないこと、受け取ることができないものが多いのです。
受け取ることや増やすことばかりを求めている者は、大きくなり過ぎた「それ」を支えることができません。
バランス崩して倒れてしまえば、大きくしてきたものは壊れて使い物にならなくなってしまうでしょう。
人生における失うということはとても大切なことであることを理解しなければなりません。
もちろん、わざとに与えることでも良いのです。
スピードを出し過ぎてしまった車はコーナーを曲がることができません。
しかしながら、ブレーキによってスピードを失うことができれば、無事にコーナーを曲がることができるでしょう。
失うことが損に繋がるとは限りません。
むしろ、失うことは必要であり、大切なことなのです。
失うことを恐れてはなりません。
失うことに感謝しなければなりません。
自ら進んで与え、バランスを保たなければなりません。
受け取ること、増やすことばかりに着目し過ぎてはいませんか?
失うこと、与えることの大切さを忘れてはなりません。
たとえ、あなたが何かを失わなければならない状況に辿り着いたとしても、失うことを恐れてはならないでしょう。
失わなければならないものは、快く失いましょう。
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