人の心は定まりません。
心は常に彷徨(さまよ)っています。
それは、価値を求めて彼方此方(あちらこちら)に駆け回るのです。
あなたの心は落ち着きません。
常に何かを求めています。
それは、所有に飽(あ)き、別を所有しようと欲します。
人の心は満足することがありません。
それは決して定まらないのです。
あなたは、人の心が定まると考えてはなりません。
それは所有(物)を離れます。
すぐに別の物が欲しくなるのです。
心は一所(ひとところ)には止まらないのです。
陽が降れば雨を求めるでしょう。
雨が降れば陽を求めるのです。
そのことを理解しなければなりません。
人は、心の性質を理解して、それと付き合わなければなりません。
心を知らなければ、あなたは人生に戸惑ってしまうでしょう。
心は、あなたではありません。
あなたはそれを自分と重ねてはなりません。
心はあなたの意思とは関係ないのです。
多くの人は心が自分であると思い込んでいます。
そのため、心に翻弄(ほんろう)される時には苦悩を得るのです。
心は、あなたの不足を知っています。
そのため、あなたの不足を補おうとしているのです。
心があなたに導くものは、あなたの不足にとって重要です。
あなたはそれを以て不足を満たさなければならないのです。
心が導くものに対して苦悩している場合ではないのです。
それを大切に扱わなければならないのです。
心が所有を離れるのは、あなたに経験をさせるためです。
陽が降るという経験を得たのであれば、雨が降るという経験を得させようとするのです。
心は、あなたに多くの経験を導こうと努めているのです。
飽き易い人がいます。
それを気に病む必要はありません。
飽き易いというのは、集中が続かない訳ではないからです。
飽き易い人は、それによって広い経験を得ているのです。
それは浅いものではあるけれども、多くの比較対象を導きます。
比較対象によって、”それ”がどのようなものであるのかを知ることができるのです。
反対に、一つのことに専念する人がいます。
それを気に病むことはありません。
一つに専念するというのは、不器用という訳ではないからです。
専念する人は、それによって深い経験を得ているのです。
それは狭いものではあるけれども、本質に近付くのです。
本質に近付くことによって、”それ”の意味を知ることができるのです。
心は、あなたの不足を知っているために、忙しく働いています。
基本は価値を探すことに努めています。
そして、価値のあるものを見付けたら、そこにとどまって掘り下げます。
あなたが何かを飽きることなく続けるのであれば、その本質を教えてもらっているのです。
あなたは心の意図を知りましょう。
心を自分であると考えてはなりません。
あなたには心を理解することができないからです。
心を理解することはできませんが、心の意図を知ることはできるのです。
心の意図を知れば、目の前の状況に苦悩する必要はありません。
あなたは楽しんで、それを経験すれば良いのです。
人の心は定まりません。
それは、あなたに価値のある経験を探しているからなのです。
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