人の本来の在り方とは自然です。
人の本来の姿は自然という状態なのです。
しかしながら、自然を実現することのできる人は稀(まれ)です。
多くの人は、自然を歪めます。
それは、不自然という状態に在るということです。
多くの人は、不自然を生きています。
不自然とは、思い通りにしようとすることを言います。
多くの人は、自分の思い通りにしようとするのです。
思い通りにならない状況に不満を抱き、思い通りになるように企(たくら)むのです。
それは、状況を歪める行為であるということを覚えておかなければなりません。
あなたは、思い通りにならない状況を、思い通りにしようと考えるでしょう。
そして、そのように作為するでしょう。
それが、苦悩の原因なのです。
苦悩は、不自然な状況に存在しているのです。
自然の中には苦悩は存在しません。
なぜなら、自然とは、思い通りにならないことを言うからです。
人生には、思い通りにならないことが普通です。
思い通りになることなど何もありません。
そのため、人は思い通りにならないことを思い通りになるように作為するのです。
人生は常に自然を導いています。
思い通りにならないことばかりを体験するでしょう。
それが自然なのです。
人の本来の在り方とは、思い通りにならない人生を生きるということです。
しかしながら、多くの人は思い通りになる人生を望んでいるのです。
既(すで)に認識が歪んでいます。
歪んだ認識によって見る世界は、同じように歪んでいるのです。
そのため、人生は思い通りにならなくて良いのですが、それでは納得がいかないのです。
多くの人は幸福を、思い通りになることだと思い込んでいるのです。
理想の実現こそが幸福であると考えているのです。
しかしながら、理想が実現することほどの悲劇はありません。
なぜなら、人は未熟であるからです。
未熟な者の理想は未熟であり、大きく歪んでいるのです。
そのような理想が実現すれば、苦悩を得ることに追われるようになるのです。
理想を追い求める者の人生には、苦悩が絶えません。
それは、苦悩を生み出しているのが自分自身であるからです。
誰も、自分自身から逃れることはできないのです。
あなたは、思い通りにならない人生を楽しみましょう。
人生は思い通りにならなくて良いのです。
寧(むし)ろ、思い通りにならない方が良いのです。
そのことに気が付かなければなりません。
思い通りにならないことを否定し、思い通りになるように作為します。
そこには、不自然な歪みが生じます。
それは、苦悩を導きますが、人は苦悩を嫌うのです。
そのため、不自然な歪みによって生じる苦悩を補(おぎな)う必要に迫られます。
それは、更なる不自然の作為となるのです。
不自然に不自然を重ねることによって、苦悩を隠そうとするのです。
そうやって、不自然の連鎖が生じます。
不自然を重ねるということは、問題を重ねるということです。
残念ながら、忘れ去られる問題は存在しません。
すべてのものは必ず明らかにされるからです。
あなたは、どのようなものも隠し通すことはできません。
人生には、思い通りになることなど無いのです。
あなたがどのように不自然を重ねようとも、人生は必ず自然に戻ろうとします。
あなたが除草する(不自然)速度よりも、草が生じる(自然)速度の方が早いということを覚えておきましょう。
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