多くの人は敵を問題視しています。
敵というあからさまな状態のものがどうして問題なのでしょうか?
認識することができる状態のものが問題となることはありません。
それは、対応することができるからです。
問題として認識しているのであれば、それは解決に向かうだけなのです。
そのため、問題として認識されているものは、すでに問題という状態にはないということなのです。
問題とは、それを問題として認識することができない状態のものを言うのです。
あなたは物事の本質に気が付かなければなりません。
敵を敵としてはなりません。
あなたが敵と思っているものは、あなたの敵ではないのです。
寧(むし)ろ、あなたの間違い(あなたが論理的に正しくても)を指摘する大切な役割であるということを理解する必要があるのです。
敵は、あなたに反対意見を投げ掛ける重要な役割を担っているのです。
反対意見を投げ掛けられることがなければ、偏見は拡大し、歪みは増していくのです。
そのため、ある種の反対意見によって、一方に偏らないように真っ直ぐにしようとする力が敵を生み出しているのです。
敵はあなたの役に立っているということを理解しなければならないのです。
問題とは、あなたには認識することができない”裏切り者”であるのです。
裏切り者は仲間内から生じます。
それは、仲間の姿をしているために、あなたはそれが問題であるとは気が付きません。
仲間として信頼してはいても、その実、あなたを裏切るのです。
裏切り者に対しては対応することができません。
それは、限界までそれが問題であるとは気が付かないからです。
避けられないほど近くにまで接近を許すのです。
擬態(ぎたい)した肉食動物に、草食動物が気が付かないようなものです。
それが敵であるという認識においては、距離を測ります。
それが仲間であるという認識においては、距離を測ることをしないのです。
油断はそのようなところから生じるのです。
そのため、本当に注意すべきは敵ではないのです。
裏切り者こそ注意すべきであるということなのです。
裏切り者は仲間のふりをする詐欺師です。
詐欺師は嘘を真実のように見せ掛けます。
敵は素直に対立します。
あなたにとってどちらが脅威であるでしょうか?
遠くから敵が迫って来ているのであれば、あなたは争いを避けるためにその場から離れることもできます。
しかし、それが裏切り者の詐欺師であれば、あなたは争いを避けることができないのです。
敵を敵とする間違った考えを信じてはなりません。
敵は敵ではないのです。
そこには、ある種の礼儀が存在しているのです。
お互いを敵として認めた上で争うことと、相手を騙(だま)した上で争うのでは、どちらが礼儀正しいでしょうか?
あなたは仲間の姿をした裏切り者に注意しましょう。
問題は仲間内から生じるのです。
あなたの苦しみのすべてが、あなたの心の内から生じるのと同じです。
裏切り者は、あなたに敵を教え込みます。
そして、自らに注目が集まらないように企(くわだ)てているのです。
自らが裏切り者であるということが知られれば、利益を貪ることができなくなるばかりか、糾弾(きゅうだん)されることになるからです。
そのために、敵を問題として思い込ませ、自らは暗闇に隠れるのです。
あなたには信じられないかも知れませんが、敵は問題ではありません。
敵は敵ではないのです。
自らの歪みを取り除いてくれる大切な役割として、敵を捉えなければならないのです。
対立する相手から得るものは多いのです。
それは、対立しているということは、対極にあるということだからです。
陰と陽は違う性質を持っていますが、それぞれが支え合うことによって最大の効果を発揮します。
それを分裂させてしまっては、本来の力は得られないのです。
敵は敵ではないのです。
間違えてはなりません。
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