すべての始まりは、終わりへと向かいます。
始まったもので終わらないものはありません。
すべては始まり、そして終わるのです。
それはこの世の理(ことわり)です。
どのような人物であろうとも、それに抗(あらが)うことはできません。
あなたがどれだけ拒絶しようとも、それは始まるでしょう。
そして、どれだけ拒絶しようとも、それは終わるのです。
この世においては、常に始まりが有り、常に終わりが有るのです。
始まりがあれば、それと同時に終わりが存在しています。
始まりを受ければ、同時に終わりを受けるのです。
あなたは始めました。
それは、終わりへと向かいます。
あなたが何を始めようとも、その行き着く先は終わりなのです。
それは、山形(やまなり)の軌跡を描きます。
人が幼く生まれ、勇猛に育ち、衰微(すいび)を経て死に帰結(きけつ)します。
肉体は始めと終わりを所有しているために、その軌跡は山形なものであるのです。
多くの人は、自分を肉体だと思っています。
自分という存在は心臓や脳の働きだと思っているのです。
そのため、多くの人は衰微を恐れています。
肉体の衰えは避けられません。
そして、この世におけるすべての存在の衰えは避けられないのです。
始まりは必ず衰えます。
そして、終わりを受け入れるのです。
肉体は、生まれた瞬間から同時に死を所有しています。
肉体は、始まりから死に向かって生きているのです。
つまり、生きることとは死ぬことなのです。
死とは終わりの一形態です。
死とは、この世の理です。
死は避けられません。
死を避ける必要はありません。
それは、理であるからです。
そのため、衰えを避けることはできません。
そして、衰えを避ける必要はないのです。
あなたは衰えなければなりません。
衰えることは、死を受け入れる作業だからです。
肉体の死も受け入れれば良いのですが、あなたは常に終わりを受け入れなければなりません。
あなたはいつも始まりと終わりを経験しています。
例えば、価値観です。
何かに価値を置く思考が始まれば、人はその価値に執着します。
すべての人の価値判断は未熟です。
そのため、どのような価値観も後には必ず不要となるのです。
すべての価値観は成長しなければなりませんが、栄華(えいが)に達すれば衰えなければなりません。
衰えた価値観は、やがて無用の長物として捨て去られるのです。
それは同時に、新たな価値観の始まりを意味しているのです。
新たに始まった価値観は、終わった価値観に比べて洗練されているのです。
その繰り返しによって、人は成長していくのです。
多くの人は衰えることの価値を知りません。
肉体の衰えは最良な過程でしかありませんが、それを知らない人にとっては恐ろしいことなのです。
衰えを最悪と同一視してはなりません。
あなたはより良く始める必要があるのです。
そのためには、終わりを得なければなりません。
衰えを拒絶するのであれば、より良く始めることなどできないのです。
衰えは避けられません。
それは、成長を促す最良の方法だからです。
衰えを受け入れましょう。
衰えを受け入れることによって、あなたは知恵を増すことができるでしょう。
いつまでも”子ども(何も知らない状態という意味)”のままであってはならないのです。
いつまでも愚(おろ)かに暮らしてはならないのです。
人生とは何ですか?
あなたは誰ですか?
無知な者には答えられないでしょう。
答えたとしても、それは多くの矛盾を含んだ答えであるでしょう。
始まりを終わりへと向かわせましょう。
終わりによって、新たな始まりを得るのです。
そして、あなたは成長を実現するのです。
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