すべての人は信念を所有しています。
	どのような人物にも信じる価値観が存在し、それに従って人生を選択するのです。
	多くの人は自らの信念を離れることができません。
	強く信じた価値観を手放すことができないのです。
	そのため、状況に対して明らかに通用しない価値観をいつまでも引き摺(ず)っているのです。
	状況に対して通用しない価値観は重荷となります。
	それはあなたを苦しめるための用途はあっても、あなたを喜ばせるための用途はありません。
	状況に対して通用しない価値観は、人に苦悩を導くのです。
	多くの人は、自らの信念が状況に対して通用しない状態にあっても、それに気が付きません。
	それは、美化と正当化によって実像を覆い隠してしまうからです。
	自分でも、自らの実像と状況に矛盾が生じていることを見失っているのです。
	すべての人の信念は未熟であり、歪んでいます。
	それは決して完全な姿ではありません。
	完全な姿でないということは、変化しなければならないということです。
	変化するためには、執着を手放す必要があるのです。
	それはいつまでも、自らの信念にしがみ付いていてはならないということです。
	残念ながら、信念は過去の情報によって構成されています。
	あなたの信念は、過去の経験によって構築されたものなのです。
	過去の成功と失敗が信念の本質です。
	多くの人の場合、それは反発心から導き出されるのです。
	過去の成功と失敗に対する反動によって信念が構築されるのです。
	信念に従うのであれば、無意識の内に過去を生きることになるでしょう。
	過去を生きるということは、繰り返しを生きるということなのです。
	そこには豊かさは存在しないのです。
	同じことを繰り返すのであれば、消耗するだけだからです。
	大切なのは”今”に生きることです。
	そして、”今”に生きることができれば、過去と現在と未来という全体を生きることができるのです。
	それは、執着を手放す行為です。
	全体性を持つのであれば、過去を生きるように個別への執着は必要ではなくなるのです。
	信念に執着するのであれば、全体性を失います。
	例えば、信念によって人は正義に執着します。
	正義に執着するということは、相対的に悪を作り出すということなのです。
	正義を掲げている人は悪を敵とするでしょう。
	敵を作り続け、それと争い続けることは、破滅的な選択だと言えるのです。
	それは消耗を実現し、あなたは苦悩を生きることになるでしょう。
	そのような信念が豊かさを導くことはないのです。
	人は信念に執着します。
	あなたは自らの信念を大切に思うでしょう。
	多くの人は自らの信念を特別なものだと思い込んでいるのです。
	しかしながら、どのような信念も決して特別なものではありません。
	どのような信念も、それが偏見でしかないことを理解する必要があるでしょう。
	あなたは信念が歪みであることに気が付かなければなりません。
	そして、信念に執着する自分に気が付かなければならないのです。
	あなたはいつでも信念を手放す必要があります。
	あなたはいつでも、信念を手放さなければならないのです。
	あなたは信念を超えて考えましょう。
	”今”を過去の投影としてはならないのです。
	”今”を生きる人に信念は必要ではありません。
	”今”を生きる人には、過去の成功と失敗は関係ないのです。
	”今”を生きる人は、特定の何かを必要とはしません。
	”今”を生きる人にとっては、目の前の状況こそがすべてなのです。
	信念とは過去の自分です。
	あなたは自分を超えて考えましょう。
	既成概念に捕らわれてはなりません。
	あなたは新しく始めなければならないのです。
	恐れを抱く人にとっては、信念という支えが必要です。
	恐れを抱かない人にとっては、信念という支えは必要ではないのです。
	”今”を生きる人は、すべてを信じています。
	そして、”今”を生きる人は、何も信じてはいないのです。
	これを矛盾だと思うのであれば、あなたは信念を掲げている人であるでしょう。
	信念を手放すのであれば、あなたはすべてを信じ、同時に何も信じない状態を実現するでしょう。
	そこに自由が存在することを、今のあなたは知らないでしょう。
	
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