すべての人は、己(自我意識)を抱えています。
己とは弱い心です。
大抵の場合、それが人を支配しています。
多くの人は己に従っているのです。
己に従って行動し、己に従って人生を築くのです。
人が己を離れることは簡単なことではありません。
多くの人が己の存在にすら気が付きません。
そして、己の存在に気が付いたとしても、それを手放すための条件に絶望するのです。
己を手放す条件は単純なものです。
それは、克己(こっき)することだけです。
それ以外の方法は必要ではありません。
人は己である弱い心に克(か)つことによって、その支配を切り離すことができるのです。
心を強く保ち、真(強い心)に従わなければ、己からの支配を離れることはできないのです。
この世界において、人は陰と陽の内に属します。
どのような人物であっても、陰陽の輪を離れることはできないのです。
どのような人物であっても、陰陽を所有し、その比率が異なるだけなのです。
あなたは己と真を離れることはできませんが、どちらを主体とするかを決めることはできるのです。
己は破滅的な性質を持ちます。
真は建設的な性質を持つのです。
どちらも重要な性質であり、大切なものです。
己と真を善悪によって区別することはできません。
状況に対して比率を改めなければならないのです。
多くの人が己を主体として人生を築いています。
それは破滅的な性質を所有しているために、多くの人の人生は問題で満ちています。
それは苦悩を導く結果となり、恐怖に根差す思考を導くでしょう。
恐怖に根差す思考は、浅はかな企(たくら)みを導くのです。
それは、利己的な企みであり、争いや集積を目的とするのです。
争いによって集積すれば、その樹木は苦い果実を結びます。
あなたはその果実が”毒”であることも知らずに飲み込まなければならないのです。
自らの育てた果実は、自らの口に入るということを覚えておかなければなりません。
甘いだけでは”毒”となり、苦いだけでも”毒”となります。
大切なのは、甘みと苦みの塩梅(あんばい)なのです。
強い心だけでも歪んでしまうし、弱い心だけでも歪むのです。
安全だけでは退屈を導き、危険だけでは恐怖を導くのと同じです。
安全と危険が良い塩梅で混在することによって、人は喜びを見出すことができるのです。
利己的な企みは、必ず苦悩を導きます。
例え、その企みが利他的なものであったとしても、苦悩を導く結果となるのです。
大切なのは、利己と利他の塩梅です。
あなたは自分のためだけに人生を選択してはなりませんが、他者のためだけに人生を選択してもなりません。
あなたは必ず、自分のためと他者のために人生を選択するようにしましょう。
その選択によって、あなたが喜べなければなりません。
そして、同時に他者が喜べなければならないのです。
バランスの欠いた企みは、決して満足のいく結果を導くことはありません。
陰陽のバランスによって深みが得られます。
光だけでも、影だけでも、深みは得られません。
光と影のバランスによって深みが得られるのです。
しかしながら、この世界においては、利己的で浅はかな企みも成就(じょうじゅ)してしまいます。
この世界においては、すべてが許されているのです。
あなたが思い描くことはどのようなことも実現します。
しかしながら、その企みが実現した後には、責任が伸し掛かるでしょう。
人生においては、自分の選択した結果を受け取ることができます。
それが人生の目的でもあるのです。
あなたは受け取った結果によって、塩梅を改めましょう。
己と真のバランスを考えるのです。
浅はかな企みを手放しましょう。
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