人の世に存在しているものは、飢えと渇きです。
それ以外には存在しません。
人は飢えと渇きを満たすために行為しているのです。
すべての行為は飢えと渇きのためです。
それ等を満たすための意思であり、夢や目標なのです。
人の世は飢えと渇き以外には何も与えはしません。
人の世では、あなたは生涯を飢えと渇きを満たすために生きることになるのです。
あなたは不安に導かれます。
あなたは不安を解決するために行為するでしょう。
あなたは不満に決められます。
あなたは不満が決めた道を進むでしょう。
あなたは不足に従います。
あなたは不足に逆らうことができないのです。
あなたがどのような方法を用いても、飢えと渇きを満たすことはできません。
飢えを満たすために食べ、渇きを満たすために飲んでも、飢えと渇きはすぐに襲うのです。
人の世には安寧(あんねい)は訪れません。
そのような理想は実現しないのです。
先述したように、人の世には飢えと渇き以外には何も存在してはいないのです。
あなたが人の世に生きる内は、飢えと渇きを満たすことはできないのです。
どれだけ貪(むさぼ)ろうが、それは花の命のようにすぐに散り行くものなのです。
あなたは様々な花の種を蒔(ま)くでしょう。
それは、あなたにいつまでも花の命を与えるかもしれません。
しかしながら、あなたが種を蒔くことを怠れば、すぐに途絶えてしまう命なのです。
人の世で飢えと渇きに苦しまないためには、多くを犠牲にしなければならないのです。
あなたは常に欲求が囁(ささや)き掛けるでしょう。
気を抜けば、不安や不満や不足が語り掛けるのです。
飢えと渇きを避けるために、人は満足しなければならないのです。
あなたは満足することを求めているでしょう。
自分にとって良いものを求めるのです。
自分にとって良いものは、最良であるとは限りません。
飢えと渇きに動かされてるあなたには、自分というものが分からないのです。
自分というものが分からない者には、何が最良であるのかも分からないのです。
あなたは楽しみを求めるでしょう。
しかし、楽しいから幸福なのではありません。
あなたは喜びを求めるでしょう。
喜びであろうとも、あなたを幸福にはしないのです。
その楽しみも喜びも、飢えと渇きのための良いものであり、あなたの最良ではないからです。
楽しくて、喜びに溢れた毎日が、本当に幸福なのでしょうか?
好きなものにだけ囲まれた世界で、あなたは何を学ぶというのでしょう?
残念ながら、自分勝手に成長することのできる人はいません。
人は皆、思い通りに行かない状況から学び、成長するのです。
あなたには誤解があるでしょう。
悲しいから不幸なのではありません。
苦しいから不幸なのでもないのです。
飢えと渇きに突き動かされている者は、楽しみと喜びを追い求めます。
それは、永遠の道です。
楽しみと喜びを追い求めるのであれば、あなたは飢えと満足をただ繰り返すだけの回路を進むことになるのです。
楽しみと喜びを追い求める道は幻想です。
この世界には、悲しみも苦しみも存在しているのです。
飢えと渇きを満たすのは、悲しみと苦しみです。
人の世から世界を見てはなりません。
楽しみと喜びは肉体を満たすでしょう。
しかしながら、それ等が精神を満たすことはないのです。
悲しみと苦しみは肉体を飢えさせるでしょう。
しかしながら、それ等は精神を満たすのです。
楽しみと喜びは肉体のために、悲しみと苦しみは精神のために大切にしましょう。
この世界には無駄なものは存在しません。
すべてを大切にしましょう。
必ずしも、満足することが最良ではありません。
悲しみや苦しみが目の前に存在しているのであれば、それがあなたの意に沿わなくても最良なのです。
覚えておきましょう。
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