他人に求めてはなりません。
他人に期待を寄せても、あなたの思い通りにはならないでしょう。
これは、あなたの人生です。
誰かに求めても、あなたは満たされることができないのです。
多くの人は他人に求めています。
それは、自分の欲求を満たすためです。
人はそれぞれに理想を掲げ、それを実現したいという欲求を所有しているのです。
それを実現するために、自力に頼るということはありません。
多くの人が、他人の力に依存して実現しようと考えているのです。
それは、楽を求めているからです。
効率とは、楽を求める行為なのです。
効率的に行うことは多くの利益を導きます。
それは、あなたの理想を実現するにも有益なことでしょう。
しかし、人生の目的と意味を得るには不向きです。
人生の目的と意味は、自分にとっての多くの利益を得ることではありません。
利益にも様々な形がありますが、多くの人は自分の理想を実現したいという、自己中心的な利益を求めているのです。
自己中心的な利益を得なくても、人生の目的と意味を成し遂げることはできます。
理想を実現することが、必ずしも人生の目的と意味ではないからです。
未熟な存在である人間の理想とは、汚れと歪みを所有しているのです。
人間の理想が実現するのであれば、人生には汚れと歪みが生じるということなのです。
多くの人は理想を実現しようと努めていますが、必ずしも理想が実現することが最善ではないということは知っておかなければならないでしょう。
実力の及ばないことを実現して何になるというのでしょうか?
理想とは、多くの場合、実力以上の結果です。
実力に相応しいことは既に実現しています。
理想とは、実現していない状況のことであり、それは、自分にとっては高嶺(たかね)の花であるのです。
実力が及ばない高嶺の花を手に入れるために、人は他人にその協力を求めるのです。
しかし、他人は自分の思い通りには動いてくれません。
そこに生じる、理想と現状との差によって、人は欲求不満に陥(おちい)るのです。
他人に求める人は苦しむでしょう。
誰かに依存し、求めるのであれば、人が豊かに存在することはできないのです。
それは、実力を育むことをせずに可能性を狭めるからです。
そして、欲望が心に根差しているためです。
人は、実力の範囲内で存在しなければなりません。
実力に対して大き過ぎる力を扱うことはできません。
しかし、多くの人は欲望に突き動かされて見栄を張るのです。
そして、自分にはそれを実現することができると考えるようになります。
他人の協力によって欲望が実現することはあります。
しかし、それを維持するのは簡単ではありません。
他人が協力することによって重たい荷物を抱えていたとしても、他人が協力を続けるとは限りません。
自力を中心として考えていなければ、少しのことで成り立たなくなってしまうのです。
自力によって支えることができなければ、安定はないのです。
あなたはできる限り、理想を実力の範囲内で実現するようにしましょう。
他人に多くを求めるのであれば、その人はあなたを去るでしょう。
自分の仕事でない仕事を押し付けられることは、誰にとっても苦痛なのです。
すべての人は、自分の人生を生きています。
それは、他人のための人生ではないのです。
依存は自力を育まず、その時は良いにしても、結果として破滅を招くのです。
人は欲望に従ってはなりません。
見栄を張り、実力を見誤ってはなりません。
自力を中心とした計画を立てなければなりません。
そうでなければ、あなたは苦しみを得ることになるでしょう。
実力以上の荷物を抱えて、豊かさを得た者はいません。
誰もが、その荷物の下敷きになってしまうのです。
謙虚になければなりません。
できないことは、できるようになってからで良いのです。
焦ってはなりません。
焦りは、道を誤ります。
足元に咲く花を愛(め)でましょう。
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