あなたは手放さなければなりません。
	あなたが得るのは、失うためです。
	人は、失うために得るのです。
	命は、それを失う時のためにあります。
	命を失うことによって、人は命の価値を知るからです。
	あなたは、死ぬために生きているのです。
	すべての価値は失うことによって理解することができます。
	そのため、あなたは失わなければならないのです。
	どのようなものも所有することはできません。
	所有していると思い込んでいるだけに過ぎないのです。
	何一つとして、あなたの所有ではありません。
	命でさえ、あなたの所有とはならないのです。
	あなたは自分で命をどうすることもできません。
	死を待ち望んでもそれを得ることが叶わず、生を望んでもそれを継続することが叶わないのです。
	それは、あなたの所有ではないからです。
	あなたの所有ではないために、あなたの思い通りにはならないのです。
	失うことは与えることです。
	失うことを嫌悪してはなりません。
	この世界においては、何一つとして無駄になることはなく、何等かの意味を持つのです。
	あなたが失うということは、誰かや何かにそれが導かれたということなのです。
	決して無駄にはなりません。
	そのため、失うということには価値があるのです。
	そこに価値を見出すことができなければ、失うことを恐れるようになるのです。
	大切なのは、この世界には無駄が存在しないということです。
	それを覚えておく必要があるでしょう。
	あなたは必ず手放さなければなりませんが、それを肯定(こうてい)するように努めましょう。
	失うものは、失うべきものであったのです。
	その理由に納得がいかなくても、失うべきものは失うべきなのです。
	”本当の”理由は後に分かります。
	失うことを恐れるという感情による判断は、失うことの本質を隠します。
	時が経ち、失ったことに対する恐れの感情が落ち着いた時には、”本当の”理由を理解することもできるでしょう。
	失った時に納得することは簡単ではありませんが、努めなければならないのです。
	人は恐れを抱くことによって所有を選択します。
	恐れは、人に蓄積を促(うなが)すのです。
	人は常に多くの荷物を抱えます。
	それは、知識であったり、時間であったり、資産であったりします。
	あなたは、(自分にとって)良くも悪くも荷物を抱えているのです。
	多くの人は恐れているために、その荷物を手放そうとはしません。
	そのため、より多くの荷物を抱えることになります。
	多くの荷物を抱えて歩むことのできる者はいません。
	荷物の重みに耐え兼ねて、その場に座り込んでしまうのです。
	再び歩み出すためには、荷物を手放さなければなりません。
	それは、抱えている荷物を誰かや何かに与えるということなのです。
	それがどのようなものであれ、多くを抱えてはなりません。
	喜びであろうとも、苦しみであろうとも、それを抱えてはならないのです。
	あなたは必要な荷物だけを小脇に抱え、それ以外は与えるのが良いでしょう。
	大切なのは進むことです。
	多くの荷物を抱えていたとしても、先へ進むことができないのであれば価値がないのです。
	例えば、何かの知識を得たとして、それを誰にも教えずに抱えていてはなりません。
	それは必ず重たい荷物となるのです。
	何かを得たのであれば、それを誰かや何かに役立つ形によって分け与える必要があるのです。
	苦しみであろうとも、それを教訓という形に変換して誰かや何かに分け与えれば良いのです。
	所有しようとすれば、その重さに耐え切れずに進むことができなくなります。
	あなたは誰かや何かの役に立たなければなりません。
	与えるということは、役に立つということなのです。
	あなたは必ず手放さなければなりません。
	あなたは必ず手放さなければならない時がくるのです。
	その荷物が誰かや何かの役に立つことを考えて手放しましょう。
	
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