多くの人は過去を大切に考えています。
	それは、書籍のように多くの言葉が並べられた記録に過ぎません。
	人は過去という書籍を抱えています。
	今までに多くの言葉を書き記しているために、それを大切に思うのです。
	あなたが過去を書き記しているのは、それを”今”に実感するためです。
	あなたは状況を書き記す(意識的に生きる)ことによって、それを”今”に体験することができるのです。
	そして、書き記した”今”が過去になるのです。
	あなたは人生という日記を書いているようなものなのです。
	多くの人にとって、書き記した”今”の蓄積である過去は大切なものです。
	そのため、多くの人が過去に生きるようになります。
	多くの人が過去に価値基準を置くようになるのです。
	書き記した過去が多くなるほどに、過去の価値は高まるのです。
	多くの人が”今”に生きることができません。
	多くの人が積み上げられた過去に価値基準を置いているために、過去に生きているのです。
	それは、無意識の内に行われます。
	あなたは知らず知らずの内に過去に生きることによって、”今”というこの瞬間を見失うのです。
	”今”を見失っているために、過去から未来を想像します。
	多くの人の想像する未来は、過去の延長に過ぎません。
	過去に対してネガティブな感情を抱いている人の未来はネガティブなものとなり、過去に対してポジティブな感情を抱いている人の未来はポジティブなものとなるのです。
	ネガティブであろうが、ポジティブであろうが、過去の延長である未来は訪れません。
	なぜなら、過去も未来も幻想であるからです。
	あなたが存在を許されているのは”今”というこの瞬間だけなのです。
	過去も未来もあなたの思考の産物に過ぎません。
	あなたの頭の中だけで、過去と未来は展開しているのです。
	そのため、過去も未来も妄想に過ぎないのです。
	妄想を生きることはできません。
	それは、夢の世界のものを現実には持ち込めないのと同じです。
	あなたの妄想である過去と未来は、”今”という現実とは相違するのです。
	そのため、過去の延長によって未来を創造しようとすれば、そこには矛盾が生じることになります。
	理想と現実との矛盾こそが、あなたの抱える苦悩の正体なのです。
	過去を手放さなければ、矛盾は続きます。
	過去を手放すことによって、あなたは矛盾を手放すことができるでしょう。
	あなたは無意識の内に所有する過去を手放し、”今”に生きるようにしなければならないのです。
	しかしながら、過去を手放すことは簡単ではありません。
	それは、火の中に焼(く)べられた書籍のように簡単には燃えません。
	書籍をそのまま火の中に焼べたとしても、表紙が焼けるだけであって、文字を焼くことはできません。
	多くの人が過去を簡単に灰にすることができると考えるでしょうが、それは決して簡単な作業ではないのです。
	過去という書籍を灰にするためには、書籍を解体する必要があるのです。
	破(やぶ)って焼べるのであれば、簡単に灰となるでしょう。
	そのためには、過去に向き合わなければなりません。
	過去を灰にするために一面を破り取った時、あなたはそこに書かれた過去と向き合わなければならないのです。
	過去と向き合い、それでも手放す者だけが、過去を灰にすることができるのです。
	過去を手放すことによって初めて、人は”今”に生きることができるのです。
	残念ながら、過去にも未来にも価値はありません。
	あなたが妄想的に価値があると信じているだけなのです。
	あなたは、日記よりも灰の方が価値あることに気が付くことができるでしょうか?
	過去に生きる人にとっては、灰には価値を見出すことができません。
	しかしながら、”今”に生きる人にとっては、灰こそが価値であることに気が付くのです。
	あなたが苦悩を抱えているのであれば、過去を火の中に焼べましょう。
	そうすれば、過去が燃えて暖を取ることができるでしょう。
	過去が燃えることによって、エネルギーを確保することができるのです。
	あなたはそのエネルギーを活用することによって、多くの豊かさを実現することができるでしょう。
	苦しみは、過去と未来に生きることへの矛盾から生じるのです。
	それは、過去が燃焼していないために、エネルギー不足に陥っている状態なのです。
	そのため、過去は手放しましょう。
	いつまでも苦しむ必要はありません。
	あなたが過去を破り、それを燃やせば済む話です。
	”今”に生きることによって、あなたは情熱を得られるでしょう。
	過去を燃やしましょう。
	そして、そのエネルギーによって豊かさを生み出すのです。
	
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